大同市市街の東街にあります。1392年、明の太祖朱元璋の第13子朱桂の屋敷の前に建てられた影壁(寺廟や大邸宅の大門の外側に立てられる壁)です。邸宅は兵火で破壊され、九龍壁だけが残っています。長さは45.5メートル、高さ8メートル、厚さ2メートルです。下部は須弥壇で、束腰の部分に獅子、虎、象、唐獅子、麟麟、天馬等の動物が彫られており、その姿はそれぞれ異なり、躍動的です。
頂部は木造建築に似せて、寄棟造りの屋根には棟飾りが備われています。壁面には高貴な者のシンボルである9匹の巨大な龍が五彩(黄、縁、朱、紫、藍)の彩色琉璃瓦の部材で積み上げられ描かれています。前には倒影池があり、壁の竜が水中に映ると、まるで生きているように見えます。中国に現存する九龍壁は三つあり、大同のほかには北京の故宮と北海公園にあります。